#### 日本RNA学会より #### ============================================================================================ 多比良和誠教授発表の論文に関わる調査について 昨年来、日本RNA学会宛に、本学会の会員である多比良和誠教授(東京大学)発表のRNA研究論文の何件かについて、実験の再現性などに疑義がある旨、国内外の複数名の研究者から連絡がありました。 学会は、本来、このような問題を扱う機関ではなく、研究上の協力、連絡、意見交換を行なう場であります。しかし、この件を看過すれば、科学研究の信頼性および日本のアカデミズムの国際的信用の低下をまねく可能性も考えられます。そのため、本年3月、中立な立場から、国内外の専門家6名に同教授の十報余の論文について意見聴取を行ないました。その結果、全員から実験の再現性に問題があるとの指摘があり、加えて論文の内容についてもさまざまな疑義が呈されました。よって遺憾ながら、学会はこの調査により同教授の論文に関する疑義を払拭するには至りませんでした。 この件が同教授自身と所属する東京大学の社会的信用、さらには教育の問題にも深くかかわることから、本年4月1日、本学会は同大学大学院工学系研究科に事の経緯を伝え、事実関係の調査を依頼しました。同研究科は調査委員会を発足させ、各マスメディアで報道されたように、9月13日に実験結果の信頼性を確認するには至らなかったとの経過報告を行い、さらに同教授に対して速やかな再実験と結果の報告をするよう要請したことを発表しました。また、その後、同教授が関与する産業技術総合研究所、理化学研究所も、この件について調査を開始したとの報道がありました。 本学会は、アカデミズムが社会的に果たすべき役割を自覚し、引き続き、中立かつ公正な立場で調査の進展を見守りたいと考えております。さらには、必要であれば、科学的検証についても協力し、RNA研究分野の堅実な育成につとめる所存でおります。しかしながら、学会は調査機関ではなく、また、日本の科学研究の信頼性に関わるさまざまな報道が続いている昨今、我が国においても、独立した第三者による「研究倫理委員会」(Committee on Ethics in Research)の設立、およびこのような問題に対処するための「ガイドライン」の作成が望ましいと考えております。 ============================================================================================ #### 毎日新聞の報道より(報道された順) #### ============================================================================================ 東大論文問題:多比良教授の信頼揺らぐ 大学調査委が報告 多比良教授の論文における実験の再現性について説明する平尾公彦東大大学院工学系研究科長(中央)ら=東京都文京区の東京大学で27日午前11時11分、平田明浩写す 東京大大学院工学系研究科(平尾公彦研究科長)は27日、同研究科の多比良和誠(たいら、かずなり)教授らが執筆したRNA(リボ核酸)に関する論文について「実験の再現性は認められなかった」などとする調査結果を発表した。同教授はこの分野の世界的研究者として知られるが、論文の再現性が認められなかったことで、研究の信頼性が大きく揺らぎそうだ。調査結果は小宮山宏学長に報告され、教員懲戒委員会が懲戒処分も含めて検討する。  記者会見で松本洋一郎調査委員長は「再実験を要請した4件について現段階では再現に至っていない」などと説明した。多比良教授の研究室の学生全員の移籍も正式に公表され、同教授の大学での研究活動は事実上、停止することになった。  この問題は、日本RNA学会が昨年3月、国内外の複数の研究者からの指摘を受けて発覚。RNAが細胞の分化や働きを遺伝子レベルで制御しているなどとした多比良教授と川崎広明助手らの論文12件について、「再現性(第三者が再実験して同じ結果が出ること)に疑義がある」とし、同研究科に調査を依頼した。同研究科は昨年4月に調査委員会を設置。外部の専門家を交えて審査していた。  調査結果について多比良教授は「納得できない。われわれの再現実験はおおむね良好に進んでいるので、今、結論を出されるのは時期尚早である」と反論した。【佐藤岳幸、山本建、大場あい】  ◇   ◇  「病める科学の跋扈(ばっこ)を許してしまったことは、誠にいまいましい」。東京大大学院工学系研究科の多比良和誠(たいら、かずなり)教授の論文疑惑。会見した平尾公彦研究科長は“灰色決着”とは裏腹に、会見では強い苛(いら)立ちと不快感をあらわにした。  午前11時からの記者会見には、約70人の報道関係者が詰め掛けた。平尾研究科長は問題の責任について「実験を行っている助手と、多比良教授だ」と述べた。しかし、不正行為の有無については「極めて難しい判断だ。何度、実験をしても再現出来なかったということだが、それをもってミスコンダクト(不正行為)とは言えない」と述べるにとどまった。  また、「多比良教授は現況では学生を指導できる環境にない。教育からは身をひいていただく」と話した。  一方、会見場と同じキャンパス内にある自分の研究室で午前11時半から会見した多比良教授は「論文の一部に誤記はあったが、単純ミスであり、結論を揺るがすようなものではない。辞任はせず、白黒をはっきりさせたい」と語気を強めた。  また、論文の筆頭著者の川崎広明助手は「調査委員会にはきちんと説明しているので、納得してもらえたと思っていた。この結論は残念です」と声を絞り出した。【佐藤岳幸、山本建、大場あい】 毎日新聞 2006年1月27日 12時20分 (最終更新時間 1月27日 13時23分) ============================================================================================ 東大論文問題:「再現性認められず」 多比良教授、懲戒処分も−−大学調査結果  東京大大学院工学系研究科(平尾公彦研究科長)は27日、同研究科の多比良和誠(たいらかずなり)教授らが執筆したRNA(リボ核酸)に関する論文について「再現性は認められなかった」などとする調査結果を発表した。同教授はこの分野の世界的研究者として知られるが、論文の再現性が認められなかったことで、研究の信頼性が大きく揺らぎそうだ。調査結果は小宮山宏学長に報告され、教員懲戒委員会が懲戒処分も含め検討する。  記者会見で松本洋一郎調査委員長は「再実験を要請した4件について現段階では再現に至っていない」などと説明した。多比良教授の大学での研究活動は事実上、停止することになった。  この問題は、日本RNA学会が昨年3月、複数の研究者からの指摘を受けて発覚。RNAが細胞の分化や働きを遺伝子レベルで制御しているなどとした多比良教授と川崎広明助手らの論文12件について、「再現性(第三者が再実験して同じ結果が出ること)に疑義がある」とし、同研究科に調査を依頼した。  多比良教授は「納得できない。われわれの再現実験はおおむね良好に進んでいるので、今、結論を出されるのは時期尚早である」と反論した。【佐藤岳幸、山本建、大場あい】 毎日新聞 2006年1月27日 東京夕刊 ============================================================================================ 東大論文問題:ずさんな研究活動実態 実験記録なし  東京大大学院工学系研究科の多比良(たいら)和誠(かずなり)教授らが発表したRNA(リボ核酸)に関する論文について、同研究科は27日、「再現性はない」と事実上の不正認定を下した。多比良教授らは「結論を出すのが早すぎる」と反論するが、「世界最先端」の成果を生んだ研究活動の実態は、実験記録がないなどずさんなものだった。ソウル大の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究に続き、日本の最高学府を舞台にした不正疑惑は、科学研究への不信を増幅しそうだ。  「私は実験はよく分からない。川崎君に任せていたから」。不正疑惑が公になった昨年9月、多比良教授は毎日新聞の取材に対し、実験は助手任せだったと繰り返した。  多比良教授の本来の専攻は化学。高等専門学校を卒業後に大学の技官として勤めた後渡米し、博士号を取得した。帰国後の90年ごろからRNA研究を始め、94年に筑波大、99年に東大の教授ポストを得た。「立身出世の人。明るくて細かいところにはこだわらないが、野心的で他人の忠告に耳を貸さない」と、日本RNA学会関係者は語る。  産業技術総合研究所にも在籍し、茨城県内の優秀な科学者に贈る「つくば賞」を04年に受賞。「若い人の手本になりたい」と周囲に語っていた。  同賞を共同受賞した川崎広明助手は95年、筑波大の博士課程の学生として多比良教授に師事して以来、二人三脚で論文を量産してきた。「理論通りの実験データを出す神の手を持つ男」だと多比良教授はRNAに関する実験は川崎助手に任せきりだったが、今回の調査で、実験ノートが存在していないことも判明した。川崎助手は「パソコンにメモ程度を残しているが、ノートが実験の正しさを証明するのに必要なものだとは思わなかった」と説明した。  川崎助手をよく知る研究者は「論文はよく読んでいるが、真夜中に一人で実験することが多かった。データはいつもきれいだった」と言う。  同学会初代会長で自然科学研究機構の志村令郎機構長は「誰も実験を再現できない。しかも実験ノートがない。これは科学ではなくマジックだ」と不快感を隠さない。「論文を作成時は生データを徹底的に議論するのが常識で、部下の実験の誤りや不備をチェックできるのは教授だけだ。その肩書きは伊達じゃない」  多比良教授は文部科学省から公募制の研究費を毎年約3000万円受けている。産総研ではジーンファンクション研究センター長を務め、03〜05年度の3年間に同センター全体で約13億円が国から交付された。  多比良教授は、自らの研究成果を基にした「iGENE」(アイジーン)などベンチャー2社の経営にもかかわる。  「すべてが嘘なら、この会社は存在しないはずだ」と「iGENE」の須藤鎮世社長は話す。  同社は03年3月設立。細胞に人工的にRNAを入れ、特定の遺伝子の働きを抑えるRNA干渉という技術を応用して作った試料などを販売している。03年度の売り上げ高は7500万円で、エイズやがんなどの特効薬作りが目標という。別の1社には、医療関連会社から億単位の資金が投入されているという。【佐藤岳幸、山本建、元村有希子】  ◇「不正なかった」多比良教授反論  東京大側が不正疑惑を指摘したのは、多比良教授や川崎助手が98〜04年にかけて専門誌に発表した論文12件。このうち比較的容易な4件について再実験を求めた。  しかし、多比良教授らが再実験したのは2件だけで、論文通りに再現できたケースはなかった。うち1件は結果が大学に報告されたが、発表した論文にある実験材料を使わなかったり、実験計画書とは異なる材料が使われたとして、東大側は「再現には至らなかった」と判断した。  これに対し、多比良教授は「当初の記述が正確でなかった」などミスがあったことは認めたが、「不正はなかった」と主張している。 毎日新聞 2006年1月27日 19時49分 (最終更新時間 1月27日 22時31分) ============================================================================================ 東大論文問題:実験、ずさんな実態 助手任せ、記録ノートなし  東京大大学院工学系研究科の多比良(たいら)和誠(かずなり)教授(53)らが発表したRNA(リボ核酸)に関する論文について、同研究科は27日、「再現性はない」と事実上の不正認定を下した。多比良教授らは「結論を出すのが早すぎる」と反論するが、「世界最先端」の成果を生んだ研究活動の実態は、実験記録がないなどずさんなものだった。ソウル大の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究に続き、日本の最高学府を舞台にした不正疑惑は、科学研究への不信を増幅しそうだ。【佐藤岳幸、山本建、元村有希子】  ■立身出世の人  「私は実験はよく分からない。川崎君に任せていたから」。不正疑惑が公になった昨年9月、多比良教授は毎日新聞の取材に対し、実験は助手任せだったと繰り返した。  多比良教授の本来の専攻は化学。高等専門学校を卒業後に大学の技官として勤めた後渡米し、博士号を取得した。帰国後の90年ごろからRNA研究を始め、94年に筑波大、99年に東大の教授ポストを得た。「立身出世の人。明るくて細かいところにはこだわらないが、野心的で他人の忠告に耳を貸さない」と、日本RNA学会関係者は語る。  産業技術総合研究所にも在籍し、茨城県内の優秀な科学者に贈る「つくば賞」を04年に受賞。「若い人の手本になりたい」と周囲に語っていた。  ■神の手持つ男  同賞を共同受賞した川崎広明助手(37)は95年、筑波大の博士課程の学生として多比良教授に師事して以来、二人三脚で論文を量産してきた。「理論通りの実験データを出す神の手を持つ男」だと、多比良教授はRNAに関する実験は川崎助手に任せきりだったが、今回の調査で、実験ノートが存在していないことも判明した。川崎助手は「パソコンにメモ程度を残しているが、ノートが実験の正しさを証明するのに必要なものだとは思わなかった」と説明した。  川崎助手をよく知る研究者は「論文はよく読んでいるが、真夜中に一人で実験することが多かった。データはいつもきれいだった」と言う。  同学会初代会長で自然科学研究機構の志村令郎機構長は「誰も実験を再現できない。しかも実験ノートがない。これは科学ではなくマジックだ」と不快感を隠さない。「論文の作成時は生データを徹底的に議論するのが常識で、部下の実験の誤りや不備をチェックできるのは教授だけだ」  多比良教授は文部科学省から公募制の研究費を毎年約3000万円受けている。産総研ではジーンファンクション研究センター長を務め、03〜05年度の3年間に同センター全体で約13億円が国から交付された。  ■企業2社運営  多比良教授は、自らの研究成果を基にした「iGENE」(アイジーン)などベンチャー2社の運営にもかかわる。  「すべてがうそなら、この会社は存在しないはずだ」と「iGENE」の須藤鎮世社長は話す。  同社は03年3月設立。細胞に人工的にRNAを入れ、特定の遺伝子の働きを抑えるRNA干渉という技術を応用した試料などを販売。03年度の売上高は7500万円で、エイズやがんなどの特効薬作りが目標という。別の1社には、医療関連会社から億単位の資金が投入されているという。  ◇「不正なかった」−−多比良教授反論  東京大側が不正疑惑を指摘したのは、多比良教授や川崎助手が98〜04年にかけて専門誌に発表した論文12件。このうち比較的容易な4件について再実験を求めた。しかし、多比良教授らが再実験したのは2件だけで、論文通りに再現できたケースはなかった。うち1件は結果が大学に報告されたが、発表した論文にある実験材料を使わなかったり、実験計画書とは異なる材料が使われたとして、東大側は「再現には至らなかった」と判断した。  これに対し、多比良教授は「当初の記述が正確でなかった」などミスがあったことは認めたが、「不正はなかった」と主張している。  ◇来週、事情聴取−−調査委  多比良和誠教授らが執筆した論文が、調査で「再現性は認められない」とされた問題で、責任をただす調査委員会は来週中に、多比良教授から事情を聴くことを決めた。同委員会は来月中に、懲戒処分などの必要性を盛り込んだ報告をまとめる。【佐藤岳幸】 毎日新聞 2006年1月28日 東京朝刊 ============================================================================================ 東大論文問題:来週、多比良教授を事情聴取 調査委員会  東京大大学院工学系研究科の多比良和誠教授らが執筆した論文が、調査で「再現性は認められない」とされた問題で、責任をただす調査委員会は来週中に、多比良教授から事情を聞くことを決めた。同委員会は来月中に、懲戒処分などの必要性を盛り込んだ報告をまとめる。  この調査委員会は、27日に論文の科学的な検証結果を報告した調査委員会とは別に、小宮山宏学長の指示で同研究科内に設置された。調査委は多比良教授や実験をした助手から事情を聞き、論文が発表された背景などを小宮山学長に報告する。  調査委の報告を踏まえ、東大の教員懲戒委員会が多比良教授らの処分を最終決定する。【佐藤岳幸】 毎日新聞 2006年1月28日 3時00分 ============================================================================================ 東大論文問題:来週、多比良教授を事情聴取 調査委員会  東京大大学院工学系研究科の多比良和誠教授らが執筆した論文が、調査で「再現性は認められない」とされた問題で、責任をただす調査委員会は来週中に、多比良教授から事情を聞くことを決めた。同委員会は来月中に、懲戒処分などの必要性を盛り込んだ報告をまとめる。  この調査委員会は、27日に論文の科学的な検証結果を報告した調査委員会とは別に、小宮山宏学長の指示で同研究科内に設置された。調査委は多比良教授や実験をした助手から事情を聞き、論文が発表された背景などを小宮山学長に報告する。  調査委の報告を踏まえ、東大の教員懲戒委員会が多比良教授らの処分を最終決定する。【佐藤岳幸】 毎日新聞 2006年1月28日 3時00分 ============================================================================================ 東大:多比良教授らを処分へ 論文裏付け資料出せず  東京大大学院工学系研究科の多比良和誠(たいらかずなり)教授らが発表した論文について「裏付けるデータがない」として大学が調査していた問題で、教授側は期限とされた今年中に実験結果の裏付け資料を大学側に提出できないことが28日、分かった。これを受け同大は教授と研究グループを処分することになった。  多比良教授は、たんぱく質合成にかかわるRNA(リボ核酸)研究の第一人者とされる。  問題となったのは、03年6月に英科学誌「ネイチャー」などに掲載された4件の論文で、ヒトのRNAの一種が神経細胞形成にかかわる遺伝子を制御しているという内容など。  今年4月、日本RNA学会からこの4件を含む多比良教授らの論文12件について、「実験結果の再現性(第三者が再実験をして、同じ結果がでること)に疑義がある」として、東京大に調査を依頼。これを受け多比良教授が所属する工学系研究科(平尾公彦研究科長)では調査委員会を設置、多比良教授らへ論文4件について再実験などをしたデータを、年内に報告するよう求めていた。  しかし、多比良教授らがこれまでに提出したものは「論文1件について、実験の途中経過を示すメモのようなもの。再現性が確認できるものではなかった」(関係者)という。期限は今月31日までだが、対象となる4件すべてを提出するのは不可能となった。  調査委員会では、年明けから対応を協議するが、関係者の間では「比較的容易な4件について、十分な時間を取った。これ以上の猶予は与えない」との見解が支配的だ。1月中にも「論文の再現性が認められなかった」などとする結論を出し、小宮山宏学長に報告する予定。その後、小宮山学長が、教授らによる教員懲戒委員会に審査を依頼し、処分内容を検討する。  多比良教授は「実験は容易ではない。期限を年度末までにしてほしいと以前から申し入れている。(処分について)仮定の話を前提にコメントできない」などとしている。【佐藤岳幸】 毎日新聞 2005年12月29日 3時00分 (最終更新時間 12月29日 4時22分) ============================================================================================ #### その後の韓国論文捏造事件 #### ============================================================================================ 韓国論文ねつ造:黄教授チーム、100人以上の卵巣使用  【ソウル堀山明子】胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の論文ねつ造が発覚したソウル大の黄禹錫(ファンウソク)教授チームが共同研究者のいる漢陽大学病院から100人以上の卵巣の提供を受けていたとして、韓国の保健福祉省が調査に乗り出した。卵巣を提供した漢陽大の産婦人科教授は、すべて患者の同意を得ていたと主張しているが、同省は事前説明が十分だったか、不必要な卵巣摘出はなかったか、経緯を調べている。  同省の調査担当者が26日、毎日新聞の取材に答え、明らかにした。  提供されたのは子宮筋腫などの患者から摘出された卵巣で、黄教授は02〜03年にかけ卵巣に残る未成熟卵子を実験に使ったという。13日に開かれた国家生命倫理審議委員会で卵巣提供疑惑が報告され、調査が始まった。  卵巣を提供した教授は、ヒトクローンES細胞をつくったと米科学誌サイエンス04、05年論文に報告した黄教授論文の共同執筆者だった。 毎日新聞 2006年1月27日 9時40分 ============================================================================================