*--偽遺伝子研究の資料として--*
《遺伝子数と偽遺伝子総数》
生物種 | 遺伝指数 | 偽遺伝子総数 (うち逆転写挿入タイプの数) |
ペスト菌 | 4061 | 160 | (0) |
出芽酵母 | 6340 | 241 | (0) |
センチュウ | 20,009 | 1,100 | (104) |
ショウジョウバエ | 14,332 | 100以上 | (?) |
マウス | 約 30,000 | ? | (4,476) |
ヒト | 約 30,000 | 推定 30,000 前後 | (7,868) |
※ 遺伝子の数を見ると、いわゆる高等生物になっても体の複雑さのわりに遺伝子の数は増えない。
また、ヒトとマウスでは殆ど違いはない。一方で、偽遺伝子の数には大きな違いがある。
《ヒトとマウスでの偽遺伝子の発現量》
一致の条件 | ヒトで転写されている 偽遺伝子の数(割合) | マウスで転写されている 偽遺伝子の数(割合) | ヒト / マウスの比率 |
最も厳しい場合 | 217 (2.8%) | 51 (1.1%) | 約 4.3 倍 |
厳しい場合 | 364 (3.6%) | 62 (1.4%) | 約 4.3 倍 |
普通の場合 | 461 (5.9%) | 146 (3.3%) | 約 3.2 倍 |
偽遺伝子の総数 | 7,868 | 4,476 | 約 1.8倍 |
※ 但し、技術的な理由から、逆転写挿入タイプの偽遺伝子についてだけ調べたもの。
高い信頼度で転写されている偽遺伝子の割合は、ヒトではマウスの倍以上になる。
もともとの数もヒトではマウスの倍と見積もられているから、絶対数で見ると、
ヒトではマウスの4倍以上の偽遺伝子が実際に転写されていることになる。
(勿論、これは数学的な理論上での推定域内での話)。
### 参考文献 ###
日経サイエンス2004年8月号。及び、別冊日経サイエンス『崩れるゲノムの常識』p.34〜41 /
「偽遺伝子に意外な役割」著者:広常真治
An expressed pseudogene regulates the messenger-RNA stability of its homologous coding gene
nature 423,1-100 1 May 2003 no.6935 news and views p.91